【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ35)

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第７６話ページ35

後半に入る前に、メンバー全員を集め、一人一人それぞれ重要な課題を手短に伝えていく。

その中で、本当にやる気があるのか、とでも言いたくなるような対応をする奴＿＿＿久坂だ。

もちろん、真名部たちとかも少しは来るものはあるが、特に酷かったのはソイツだ。

『…チッ、何であんな奴がフィールドに立っていられるワケ？』
「Aちゃん。お、落ち着いて…！」

パスもトラップもまともに出来ねぇ、そんな奴がどうして選ばれて此処にきたのだろうか。

そんなイライラを見破ったかのように、みのりは私の手元を右斜め前から覗き込む。

「…さっきから書く手が止まっているけど」
『あ？…そいや少なくなったような＿＿いや、んなワケねェわ。
はい、真名部ェ、outー』

「人の事を某年末番組のアナウンサー気取りで呼ばないで頂けませんか？！」
「アハハ…」

後半も終わり、ここ最近恒例のキャプテンによる締めくくりの言葉が話されてているなかで、久坂だけがフィールドに残されたボールを見ていた。

そのそばに近寄れば、足音に気づいたのか奴は私の方へ振り返った。

「…すいやせん。あんなに教えてもらったのに。…ハハッ、ダメダメですね」

そういわれて、私はこの言葉をあいつに投げ掛けた。

『そうだな。＿＿＿お前は弱い』

そういえば、気づいたときには誰かに首元を掴まれていた。