【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ32)

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第７３話ページ32

本日３回目の休憩。
野咲も呼吸が整ってきたのか、ベンチまで汗をタオルで拭きながら寄ってきた。

「どう、色々…と」
『＿＿？なにか変なことでもあるワケ？
解説するところは全部するからよォ』

ボードを覗いてきた野咲は、またもや白がほぼ失われている紙を見て、はたり、と固まってしまった。

「え、えっと。この青いのと赤いのはなんの意味？」
『赤いのは修正箇所。青いのは正解経路』

質問されたところを淡々と野咲に説明していきながら、私は一枚一枚メンバー別に書いていく。
もちろん、原稿にはキャプテンがメンバーに説明していったところも書いてある。

「…え、キャプテンの所にもびっしり書いてある！」
「本当？見せて見せて！」

そうキャプテンは言いながら、野咲が手に取った殆ど白を失いかけている紙を横から割りいって見た。

「凄いよ、A！ねぇ、ここはどうやるの？」
『…少し待ってろ』

「今すぐ知りたい！なぁー、教えてよ！」
『だぁーも、うるっせェなぁ！』

子犬のようにじゃれついてくるキャプテンを押し退け、その場で立つ。

剣城から無理矢理ボールを借り、キャプテンにサークルに来るように指示をする。

…監督命令？んなもん軽くぐらいなら良いだろ((。