【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ29)

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第７０話ページ29

一時停止したかのように、口をあんぐり開けて扉付近に突っ立っていたキャプテンは、
閉まろうとした自動ドアにぶつかり、小さな悲鳴をあげた後に再びわなわなと震え出す。

『…き、キャプテン？』

さ、流石に2回目なんだ。
キャプテンだってそう何回も叫んだりは＿＿＿。

「Aがフランケンシュタインに成りかけてるぅぅぅぅぅぅぅ！！」
『叫ぶんじゃねェよ、くっそ。期待させんな！
このサッカー馬鹿野郎ォ！！』

「…天馬もお前も同じことをするんじゃない」

キャプテンの騒ぎに、雷門の二人がここ(私の部屋)まで飛んできた。
もちろん、キャプテンを蹴ってからベッドに脱ぎ捨てたTシャツを慌てて着直したため、二人には包帯を見られていない。

『神童さんによる再教育をキャプテンは施されるべきだと思います』

「すまない、そこはどうしても無理だ」

…やっぱり無理なんですね、ハイ。

「天馬もイナリンク交換しとけば良いんじゃないか？」
『本人伸びてますけど』

「…呼んだ？」
『呼んだ呼んだ』

起きていたのに驚いたのは隠して、私は自分のqrコードをみせる。

「あれ、振らないの？」
『まぁ…設定が面倒だし』

そういうと、キャプテンは私のコードを読み取り、追加した。

「え、なにこれAの私服かっこいい！！
やばい、俺負けたかも」
「いや、何に張り合おうとしてんだよ」