【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ28)

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第６９話ページ28

『…っ！』
「こーら、暴れないの」

『シット、元凶のクセに…！』

ビックウェイブス戦が終わったその日の夜。

突然野咲が救急箱を抱えて私の部屋に入ってきたと思えば、私は突然椅子に座らせられた。
何事かと思えば、少しぎこちなく私に怪我の処置を施していく。

だけど、本当に手当ては私からしてみれば雑過ぎて。

『…あぁあ、もう。貸せ！』
「ち、ちょっと？！」

『…手当てありがとう。ほら、終わったんだから早く出てけ』
「いや、私ほとんどやってないけど」

『いーから。出てった出てった』

処置といっても、左脇から右肩にかけて包帯を何周かした後、安全ピンで止めただけ。

本人は不服そうだったが、大体は手伝って貰ったので、まぁ良しとしよう。

…マネージャー呼べば良かったと思ったのはここだけの話。

筆箱など勉強道具がおいてある机を見ても、乗り気にはならず、時間を決めながらやろうと思えど、もうすでに深夜１時間前を過ぎている。

流石に肌寒いので白い半袖のTシャツを着て、少し肩を回してみる。

…少し緩めるか。

なんて思ってTシャツをベッドに脱ぎ捨てたその瞬間。

「Aー、ちょっとい…」

なんと、(再び)キャプテンが着替え？中に部屋に足を踏みいれたのだった。