【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ27)

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第６８話ページ27

メンバーが瞬木を祝福するなかで、やっぱり野咲だけは顔を曇らせていた。

一方、私は未だに軋み続けるからだで蓄積されたダメージに耐えているので精一杯で、そこの輪に入ることはなかった。

『…まだ、終わってない。
アイツの暴走はきっともうすぐ終わるから』

ボールをもって攻め上がる野咲は、神童さんに"神のタクト"を使うよう頼む。

1回は失敗したものの、２回目は彼女によって完全に"サックアウト"が封じ込められた。

＿＿二人がかりでマークされ続ける私は、ただ見守っているだけしかできなかった。

野咲は真名部にパスをだし、受け取った奴は思いっきりボールを振り切ったが、それは見事にへなっとしたものだった。

だが結局ゴールラインを越えてイナズマジャパンに得点が入る。

＿＿＿３－２で、私たちの逆転勝利だ。

最後の得点は、他のアシストで終わってしまったが、彼女の顔は清々しいものだった。

それを見ると、意識が朦朧としてきた。

だが、それをこらえて『疲れたー』などと言い放って地面に転がれば、鉄角はそれを苦笑して私に手を差し伸べる。

「お疲れ、灰崎！俺も早く必殺技だしてぇな！」
『お疲れ、鉄角』

体を引っ張られ、手を離されたと同時に私達はハイタッチを交わす。

それをみかねたキャプテンがこちらまで駆けてきたのは言うまでもない。