【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ25)

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第６６話ページ25

「…でもAの体は…」

『血迷うな、キャプテン。
今の森村にはまだMFとしての実力はないのはアンタだって分かりきってることだと思うケド？』

＿＿"同性"として森村が狙われるなら、私はその代わりにでも成り下がってやる。

『それに、このくらいならなんともないワケ。
お兄ちゃんに普段しごかれてるんだ。このくらい余裕なんだケド』

そう言って立ち上がり、なんでもなかったかのように振る舞えば。

＿＿なんてお気楽な奴等なんだろうか。

だれも疑いやしない。見抜こうなんて足掻けやしない。

『…このくらいなんて、逃げるわけにもいかない』

…例えそれが、遠回りだとしたって。

野咲の方をみれば、キャプテンはまた彼女に"サッカーを楽しむ"ように呼び掛ける。

一通り彼女は聞き終えると、また何かを呟いてとある一点を盗み見た。

私と野咲を入れ替えた後、相手からのスローインから試合再開。

それをカットしたキャプテンは攻め上がっていき、瞬木にパスを出したが、またもや"サックアウト"に行く手を阻まれてしまう。

…そういえば、ビックウェイブスは攻撃に特化したチームじゃねェのかよ。
一体何がどうしてこんなにも逆のチームになったんだ。