【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ24)

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第６５話ページ24

さっきから気にかかるのは、野咲が幾度も私に接触してしまおうとしているところ。
ギリギリのところでかわすが、いつ接触事故になってもおかしくはなかった。

ちょうど攻めていた剣城は、相手の奴等に囲まれ、私にバックパスを繰り出す。
…そのまま受け取ろうとしたとき、キャプテンが野咲を呼ぶ声が耳に入った。

なんと、奴はこちらに向かって走っていたのだ。
咄嗟のことに避けることもできなかった私は。

『…っ、うわぁぁぁあぁ！？』
「きゃあぁぁあ！」

あれほど注意すべきだとわかりきっていたのに、私は油断してしまったんだ。

【あぁーっと？！野咲と灰崎、味方同士で接触してしまったーっ？！】

接触したことにより、足が痛いと悲鳴をあげたアイツは空野によりアイシングを施されたが、安否を確認されたときに首を横に降った。

それをみた真名部は、強めの口調で彼女の行動を否定しようとする。

(＿＿っ、さっきのダメージが残ってる。だけど、このままじゃ間違いなくチームはボロボロになってしまう…！)

私は弾き飛ばされた体を何とかして持ち上げ、野咲を軽く軽蔑した。

そのあと、ポジションについて考え始めたキャプテンに首を向けた。

『キャプテン、私と野咲のポジションを入れ変えろ。MFでなら私も動ける』