【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ23)

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第６４話ページ23

後半。
また野咲がパスカットして攻め上がるが、また取られてしまう。

そのまま相手のカウンター攻撃に見回れ、相手はシュート技を打ち込んできた。
本来なら止めに行けたはずなのに、マークがなかなか外れず、とうとうキーパーと一対一。

神童さんがいない中、失点してしまう、と思った矢先。

「"ワイルドダンク"！」

井吹が新しい必殺技を出した。
…さすがの私も、驚きを隠せなかった。

メンバーが驚いたり喜んだり、中には井吹を称賛する者もいるが。
＿＿＿野咲だけは、暗い表情をしていた。

『…野咲』

そう呟いた私の声は、観客の声で隠れるのだった。

それぞれが持ち場に戻るなか、キャプテンと神童さんはこれからについて話す。

キャプテンいわく、経験者四人と瞬木中心でボールを回すとのこと。
その時に、キャプテンはチームの状態もよくなりつつあることも話す。

「みんなぁ！
時間はまだある！まずは１点だ！」

その呼び掛けに、私達は小さくうなずいた。

井吹のスローインから試合再開。
神童さんにわたったことをキャプテンは誉めるが、それを神童さんは一蹴してしまった。

相手が奪おうとするが、彼の必殺技、"プレストターンv2"を前に何もすることはできていなかった。