【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ22)

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第６３話ページ22

『ゔぁ！？』「灰崎！」

幸いなことに、頭から落ちたわけではないため軽傷で済んだが、体の節々は悲鳴をあげるかのように軋む。

『～っ、私よりもアイツの元に急げ！！』

私のもとへ駆け寄ろうとした剣城を制して、皆帆のカバーするよう頼むも時すでに遅し。
相手にボールを奪われてしまった。

体制を整え、キャプテンがボールを奪い返して剣城にパスをするが、それを野咲がカットしてしまう。

「さくら？！」『あのバカ！』

その後も、何回も自ら攻め上がろうと１人でボールを持っていくが、ことごとく止められてしまう。

観客のブーイングが飛ぶなか、野咲はある一点を見続ける。
何かで焦っているのか、彼女自身のミスはどんどん増えていった。

その様子を、どこか苦しそう、と見かねるキャプテンや剣城がリラックスするようアドバイスを奴等はハーフタイム中に持ちかける。

だが彼女はどこか納得していないのか、何かを呟いてベンチに戻っていった。

それに続いて、私もベンチに戻ると。

「体の調子はどうかしら」
『…！そこまでへまな体してねェよ、別に』

「そう、それならいいわ」

突然みのりが話しかけてくるからビビった…。
もちろん顔には出さないケド。