【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ21)

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第６２話ページ21

「灰崎さん、一体何があったんだい？」
『なにがだ』

ポジションにつくと、皆帆は相手の行動を観察しながら私に質問してくる。

「いや、森村さんとどうして交代したのかなっ、て思ってさ」
『そんなこと詮索してる前にDFの仕事しとけ。
…あと、少しだけ手伝ってくれ』

そら相手が攻めてきてるじゃねェかよ、全く。

ドリブルで向かってくるヤツに対処するのは、私だけで十分だ。

「通させてもらうぜ！」
『威勢がいいのは結構。
でも悪いけどシーユー。…"ブラッドハウンド"！』

走りながらそう叫んで、手を1回交差させ、また外に広げさせると、地面から吹き出た真っ赤な犬のような物質が相手を襲う。

＿＿＿本人には悪いけど、"今は目立たないように"させてもらおうじゃないか。

ボールをもってそのまま駆け上がると、私の周りには相手四人が現れた。

もちろん、これから奴等が何するのかなんて把握済みだ。

「「"サックアウト"！」」

海のような水流の攻撃に歯向かうんじゃない。

これで正解なら、私の勝ちだ！

その場で1回回り、水のちからで上へ持ち上げられるその瞬間、外へ向かって勢いよくボールを打ち込む。

そのボールは、皆帆の足元へ。

私の体は、___解放されたのと同時に勢いよく地面に叩きつけられた。