第６０話 ページ19
午前の練習が終わり、私達はメンバー全員で次の試合、
オーストラリアのチーム＿＿"ビックウェイブス"との試合の対策を練っていた。
作戦会議をするための情報収集は、真名部がしてくれていたらしい。
キャプテンと剣城はそれぞれそのデータを見て小さく感想を述べた後、
皆帆は得意分野の発揮だなどと言ったが、神童さんにあっさり切り捨てられた。
どうしたものか、と考えているとミーティングルームの扉の閉開音が響いた。
そこには、オバチャンが立っていた。
「さくらちゃん、ご両親が面会に来ているよ！」
「＿＿＿え？」
…今のこのチームで、楽しませてくれる奴なんていない。それどころか、逆に心配になってしまう。
「…ざ、は…」
次の試合はきっと、野咲の両親が見に来るはずだ。一番の要注意はアイツに向けていないと危険だ。
「はい…き」
だが、いったいどのようにしてチームが攻めてくるとかという話だって忘れてはいけないのは確かだ。
ここから野咲の暴走が加わるなら「＿＿灰崎さん！！」
突然の思考回路が閉ざされ、声をあげたヤツの方へ視線を向ける。
「さっきから僕のデータを見ていましたが…何か文句でもあるんですか？」
『…いや、文句なんてねェケド。
むしろ、これ程やったのに驚きだわ』
そういうと、真名部は自身の眼鏡を自信満々に指で持ち上げる。
「フッ、僕はイナズマジャパンの一人なんですよ？このくらい当然じゃないですか」
「とか言っちゃって。本当は報酬目当てでしょ？」
「皆帆君は黙っててください！」
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作者名：ジューガ | 作成日時：2018年5月6日 21時
