【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ18)

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第５９話ページ18

「どうかしたの？」

話の内容を気にしたのか、マネージャーは私たちの目の前までかけてきた。

「ねぇ、マネージャー。俺よりも灰崎の方が多いのって何でなの？」
「あぁ…。
それはね、本来なら瞬木君と同じはずだったんだけど...監督にそうするように言われたの」

『…何考えればそんな結論になるワケ？』

まぁいいや、と私が呟けば二人はそれぞれやることに戻る。

えっと、結局次は…。

「灰崎、俺に付き合え」

『…えっと、私は剣城じゃないけど？』
「いいんだよ、別に。俺の相手をするのが早くなるだけだ！」

そう井吹は私に近づいたと思えば、タブレットを私から取り上げてその電源を落とした。

そのままそれをベンチにそっと置いて、私をつれていく。

…違う。

…こうじゃない。

私は、人形なんかじゃない。

『＿＿＿放せよ。
大事なことを気づけないお前の相手なんて剣城で十分なんですケド』
「…っ何！？」

井吹の腕を振り払って、私は元通りのプログラムに足を運んだ。

これからやるのは、技は使っても使わなくてもどっちでも良いタイプの、マンツーマン。

…相手は、キャプテンだ。

『(監督は、何を考えてるんだ)』

なんて思ってると、気がつけば足元からボールがなくなっていて。
あの喜ぶキャプテンの声が、背中に響いた。