【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ17)

今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:25,415 hit

第５８話ページ17

次の日。
初心者の奴等は、以前のように練習に参加していた。

…もちろん、内容は奴等の殆どには厳しめのものばかりだ。
そんでもって、私もなぜかそちらで練習をしていた。

『…何で私もこっちでやらないといけないワケ？つまらねェんだけど』

独り言のように呟くと、マネージャーと渡されたタオルで汗を拭う野咲が、「そういえば…」と声を漏らす。

「葵さんが今まで自主練でやって来た灰崎さんにも慣れてほしいからだって」

まじかよ、と私も渡されたタオルで汗を拭きながら答えた。

＿＿＿＿コイツらも、私のことを評価しようとはしないのだろうか。

何て考えながら、私は元通りにタオルを戻し、手渡されたメニューをこなしていく。

次はなんだろう、とメニュー内容が転送された自分のタブレットのスリープを解除した。
マネージャーいわく、一人一人種類が少しずつ違うのだとか。

「あれ、灰崎さんの練習量俺より多いね？」
『え』

横から声がしたと思えば、瞬木が左隣から画面を覗き込んでいた。

ほら、と言いながら見せてくる瞬木のタブレットには、確かに私のよりも量が少なかった。