【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ14)

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第５５話ページ14

結局、誰も試験に合格することはなく。
表面上では、メンバーの成長ぶりが云々。

要するに俗に言うアイドルの

"これからもよろしくお願いします♪"

的な感じの…やっべ、まだ昼の感じが抜けない。←

「よし灰崎、バスケやろうぜ！」
「井吹？！先にキーパーの練習やろうか…！」

食堂で夜ご飯を今食べているのだが、井吹はさっきからバスケの話ばかりだしてくる。
もちろん、やろうと言ったのは食器を返したからである。

…暑苦し。

『…井吹』「おう！」

『＿＿＿鬱陶しいんですケド。
私の前に立つならシュートでも止めてからにしてヨネ』

そういい放って、私は食堂をでて自室に向かうために二つ目の角を曲がったその時だった。

「…少し良いか？」

片腕を引かれ、立ち止まって左肩越しに振り返ってみれば、そこには剣城がいた。

『剣城？』
「…話がある」

そう言って連れられたのは剣城の部屋だった。
足を踏みいれば、椅子を差し出される。

そこに座れば、彼は目の前に、向かい合うように座る。

暫くの沈黙が過ぎ、痺れを切らしたように私は彼に問いかけた。

『…話って何だよ』
「待たせてすまない。今から話す」

そう言って、深く深呼吸する剣城を見るに、相当重い話だというのは嫌でも感じた。

「…お前は、以前雇われていると言ったな。
どういう理由で雇われてるのかを教えてくれないか」