【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ12)

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第５３話ページ12

残るメンバー揃って、脱退予定メンバーのところへ駆け付ける。

もちろん彼らの意見は変わらず、留まる気はないらしく。
次々と説得していたキャプテンの横を通り抜けていく。

「ねぇ、A」

野咲も他のメンバーと同じように過ぎ去っていくのかと思えば、野咲は突然私の名前をいきなり呼んだのだ。

なんだ、と返事をすると、突然私の右腕をつかむ。
間抜けな私の声が聞こえたときにはすでに遅し。

なぜか私まで道連れにされてしまったのだ。

「や…やっぱり、Aまで…っ！」
『誤解だっつうのぉぉぉぉぉおおぉ！』

何故か(二回目)連れていかれたスタジアムには、たくさんの観客が顔を見せた。
…え、なにこれ、脱退試験をするんじゃねェの？？

「ちょ、どういうことなのよ、これ！」
『それはこっちの台詞だコノヤロウ』

もちろん観客だけじゃない。
リポーターなども覗かせている。

「…灰崎、受けるのか」
『受けねぇよ！…っ、です！！』

「おい、一瞬だれだと思ったんだ？」
『…謎威圧的に剣城かと思ってしまってごめんなさい、神童さん』