稲荷崎の問題児ちゃん2【ハイキュー】

問題児94 ページ49

耀は固まったままAと侑の顔を交互に見る。


Aは苦笑しながらゆっくりとベッドから起き上がった。


少しふらついたAを侑は心配そうに見るもAはそのまま耀の元へ歩いていき頭を撫でた。



｢耀おかえり。

ごめんなぁ、今日体調悪うなってしもうて帰ってきたんや。

耀に移すと悪いで、一緒に遊べへん…｣



そう言うと泣きそうになるもぐっと堪えて深く頷いてくれた。


ありがとうともう一度お礼を言い、荷物を置きに耀は部屋を出てった。



｢ふぅ…

宮侑、お腹減っとるやろ？

…うちで食うてくか？｣


侑｢や、気にせんでええ｣


｢多分、そろそろ天音と愛音が帰ってくるんや。

したら宮侑の事は離さへんで？

あの子ら、宮侑のこと大好きやからなぁ｣



少しクスクスと笑いながらそう言えば考えた後にほな食べてくわと一言声を出した。



侑｢っちゅうか、いい加減フルネームで呼ぶんやめや！！｣


｢いや、そこまで仲良うないし…

なんなら、うちら犬猿の仲やろ｣


侑｢せやけど……………

むず痒いねん！！｣


｢やったら、宮って呼ぶわ｣


侑｢いや、名字…！？

んんん…もうええわ！好きにせい！｣


｢宮｣


侑｢そないに呼ぶなや！！｣


｢喧しいわ、あほ！｣



やっぱり顔を合わせれば喧嘩ばかりで…


でも、それが自分達らしいな…なんて感じた。


肩で息をする侑のケータイがプルルルと音を鳴らす。



｢…鳴ってるで。

静かにしとるしでぇや｣


侑｢あぁ…

ってサムか。

はい、もしも______｣


治｢ツム、どこ行ったん！？

部活は！？

っちゅうか学校サボって何しとんねん！！

北さんに怒られても知らへんぞ！！？｣



侑がケータイを耳に当て、喋ろうとすればそれを遮りまくし立てるように喋る治の声が部屋中に響いた。


(おぉ、なんかご立腹やな治)



侑｢こっちにも事情があるんや！！！

北さんには連絡事前にしとるわ！！｣


治｢そんなんやったらあっちゅう間にレギュラーなんや取られるで！？

そーなっても知らへんからな！？｣



侑｢あぁ？なんやと？｣



今にもケンカが始まりそうな程にお互いが声を荒らげ、目の前にいる侑の顔は怒りに満ち溢れている。


きっと、電話越しの治の顔も酷いことになっているのだろうなと思いながらこうなったのは自分のせいでもあると思い侑に近づいた。

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