稲荷崎の問題児ちゃん2【ハイキュー】

問題児64 ページ19

寺坂｢…ええやん。

そのままで……………ええんやない｣



目を見開いたままその手を掴む寺坂はなんだか少し変な気がして…



｢そう…？

でも、いつもの方が落ち着くし…｣


寺坂｢あぁ…ほうか｣



その言葉と一緒に手が離れていった。



寺坂｢城内さんは髪分けた方がええで｣


｢おおきに、でも慣れへんのや｣


寺坂｢ほうか。

…ほな続きやろか！｣



もうそこには変な寺坂はいなくて先程と同じような絡みやすい先輩へと戻った。



寺坂｢役割他にないんやったら…あの4つでええか｣


｢おん、うち楽なんがええなぁ…

先に決めとったらだめなんかな｣


寺坂｢それはだめやろ！

しかもこれクラスでやるんやからもう1人もちゃんと決めたいんやないか？｣


｢なんや寺坂先輩って案外考えてくれとるよな｣


寺坂｢案外ってなんやねん(笑)｣


｢頼りになりますっちゅうことや！｣



3年3組の教室には男女の笑い合う声と夏の日差しが降り注いだ。



｢ほな、そろそろ帰ろか｣


寺坂｢ん、せやな。

家どっちなん？｣


｢校門出て左側に曲がるで｣


寺坂｢…俺もやわ。

ほな途中まで一緒に行こうや｣


｢おん！｣



大澤に決定した紙を出しに行った寺坂を昇降口で待つ。


足をパタパタとさせ、それと同時にヒラヒラとスカートがなびく。



寺坂｢城内さん、女子なんやからスカートの中見えるで｣


｢わ、先輩へんたーい｣


寺坂｢何言うとんねん｣



頭を軽く小突かれてすんませんと笑いながら腰を上げた。


月曜日は比較的休みの部活も多く、グラウンドを走る生徒も残っている生徒自体もすくない。


校門を出て左へと曲がり歩きなれた道を歩いた。



｢寺坂先輩って話しやすいよなぁ｣


寺坂｢んー、どうゆうとこが？｣


｢なんやろ、うち色んな噂あるはずなんに最初会った時から普通に接しとってくれるし…

気も利くし、話題尽きんし！

一緒におると楽しいで｣


寺坂｢おおきにやな。

でも、タメ語なんに先輩呼ばれるん違和感あるわ。

この際やから先輩とかさん付けやめてぇな｣


｢んー、なら寺坂くんって呼ぶわ！｣


寺坂｢下の名前でもいいんやで？｣



なんてニヤニヤしながら目を合わせてくる。



｢実は下の名前知らへんねん｣


寺坂｢まじ？言っとらんかったっけ？

改めまして、寺坂遙(はる)言いますー

よろしゅうな｣


｢こちらこそ、城内Aです、よろしゅう！｣



なんや、今更なんてまた笑いあって今日一気に距離が縮まった。

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