稲荷崎の問題児ちゃん2【ハイキュー】

問題児57 ページ12

たわいも無い話をして、準備が出来たので立ち上がる。



秋人｢ほな、頑張ってなぁ｣


｢おん！秋人くんもまた後で！

ごゆっくりどーぞ！｣



休憩に入った秋人に手を振って事務所を出た後厨房に入る。



｢引き継ぎしまーす｣



今日は厨房スタートだ。


と言っても最近新しく入った子の教育係でもあるためホールと行き来するのだが、まぁこれが忙しい。


新人アルバイトさん…佐藤美智菜(みちな)ちゃんはいい子で頑張り屋さんだけどちょっとおっちょこちょい。


覚えるまでには時間がかかりそうだ。


Aのひとつ下の歳で、アルバイトは初めてだからしょうがないと思う。


まだ美智菜が来るまで時間があるため少しでも自分が動きやすいように厨房を急ぎで回した。


それから時間は夜7時。


美智菜の声が聞こえた。



美智菜｢引き継ぎしまーす｣


店長｢お、おはようさん。

ほな、今日もホールでAちゃんに教わりながら仕事入ってな｣


美智菜｢はーい！

あ、Aちゃん、おはよう！｣


｢おはようさん、ほな今日も頑張ろな｣



そう、1個年下の美智菜だが、Aは上下関係が得意では無いため敬語も外すように言ってある。


そのおかげか仲良くなり…とても慕われている。


美智菜が一緒に帰りたがるくらいには。


Aも慕われることは嬉しいし、何より可愛がってしまう。


腕に絡まってくる美智菜を撫でながら、仕事モードに入るでと言えば少し不満そうに返事をした。


ホールに出て掲示板を見れば早速呼び出しがある。



｢今日はまだ最初やからうちが注文聞くから、美智菜ちゃんは後ろで自分の伝票に打ち込んでなぁ｣


美智菜｢うん！｣



そのまま一緒に5番と光る卓番へと向かう。



｢お待たせ致しました。

ご注文お伺い……………………は？｣



頭を軽く下げながら注文を聞くために顔を上げれば、そこはいつも見るバレー部2年の4人組で。



侑｢なんでおるん！？｣


｢いや、こっちのセリフやわ｣


角名｢へぇ、前髪かけてるんだ｣


銀島｢ここでバイトしとったんやな｣


治｢飯………｣



隠していたわけではないが、なんとなくこの人達にはバレたくなかった。



｢なんで来たん…｣


侑｢サムが腹減ったってうっさいねん。

しゃーなし自主練しないでどっかで食べようと思って来たんや｣


｢よりにもよって…ここかいな｣



深いため息を付けば、美智菜はAの袖を引っ張って耳元に口を寄せた。

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