その愛を俺に…6 (ページ40)

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臣side ページ40

Aと由奈の会話が聞こえて来て､

メンバーも自然と静かになり､

隆二も無表情で聞き耳を立ててた…

『私､洋佑の事…
笑って話せるようにはなってきてるんだぁー笑
でもね？』

「ん？」

『完璧に想い出になって､
何もかもが笑って話せるようになった後って…
人は忘れていく……だけなのかなぁーって､
少し､寂しくなる…』

「A…」

三「っ､」

『私ね…実は…もう………洋佑の声が､
どんな声だったか…薄れて来てるの…､
もちろん…歌声も…』

「っ､」

隆「……」

隆二は何を思ってるのか､

顔を顰めてた…

『だからさぁ…､
このまま…
何もかもが私の記憶から消えてくんだろうなぁーってさ､』

「怖い？」

『え？』

「洋佑くんの事､忘れちゃうの怖い？」

『…………怖い…とはまた違う気がする､』

「え？」

『洋佑の事だけじゃなくて､
亡くなった人の事は……時間や年数が経つにつれて､忘れ去られてくんだなぁーって思うと､
ただ…ただ…寂しく感じるだけ､』

Aは寂しそうな声で言った…

岩「俺…スゲー分かる､」

臣「え？」

岩「俺もおばあちゃん亡くなって､
今となっては､おばあちゃんの声とかもう分かんなくなってきてますもん…」

N「岩ちゃん…」

岩「あんなに大好きだったおばあちゃんなのに､
おばあちゃんってこんな声だったよな？
ぐらいしか出てこないっす､」

直「そっかぁー､」

岩「それを感じた時に､
スゲー寂しくなったんすよね､
俺はいつか…
おばあちゃんの笑顔さえ忘れてしまうんだろうな…って､」

E「そうだよね…」

健「せやな､
目にしたり､耳にしたりせんから､
記憶は薄れていくんかも知れへんなぁ…」

臣「あぁ」

隆「……んで､岩ちゃんは…どうしてんの？」

岩「たまに､アルバム見たり､
自分の小さな時のビデオカメラ観たりしてますよ？笑､おばあちゃんを忘れないように！」

隆「………そっか」

隆二の今の感情は､

メンバー誰一人読み取れてないと思う…

だって､

俺でさえ取れてねぇんだから…

『でも､それでいいのかもなぁーって思う気持ちもあるんだぁ！』

「え？」

『いつまでも､洋佑の事を引きずってると､
洋佑が成仏出来ないよ！多分！
ほんと､心配症だからさ！笑』

と笑顔で話してた…

心配する程でもねぇな…多分！笑