天使が来た。ALL ページ3
ジミニオッパに抱えられたままリビングに降りると、そこには既に他の6人が居た。
皆パジャマだったりスウェットだったりと完全に寝起きだ。
というかジョングクに関しては多分座ったまま寝てる。
「「「「「「……」」」」」」
………沈黙と視線が痛い。
取り敢えず、降ろしてもらって逃げ出したい。
私も自分に起こっているこの現象を、ショートしそうな頭で処理する時間を頂きたいのだ。
ジミニオッパに訴えようと思った時、皆が口を開いた。
「……かっわいい」
「ヤー……ほんとに天使だな」
「Aに似てますね……」
「そっくりだな」
ホビオッパ、ジニオッパ、ナムジュニオッパ、ユンギオッパは私に顔を近付けてまじまじと見てくる。
「でしょ！？」
「ん〜………ぬな？どこ？」
皆に言うように声を上げるテテオッパ、ほぼ開いてない目でキョロキョロして手を伸ばすジョングク。
「Aはここにも居ないね……
ねぇ君、お名前は？」
優しい顔で抱きかかえる私を見下ろしてジミニオッパが聞いてくるけれども……。
居ないと仰ってるAは、あなたが抱えてるんです。
『………』
そう答えようとして、声が出ない事に気が付いた。
……………嘘だろ、これじゃ弁解も出来ないじゃないか。
何度か試してみたが、私の口から音が発せられる事はなかった。
「お口ぱくぱく……ふふ、可愛いねぇ」
違うんですジミニオッパ、声が出ないんです。
「お名前も何も、天使様は天使様ですよね？」
天使って？……あ、テテオッパ、あなたの事か。
「もしAの親戚とかなら韓国語分かんないんじゃない？」
韓国語分かりますホビオッパ、私本人なんです。
「オハヨー？」
日本語可愛いなジニオッパ、でもそうじゃないんです。
「でもこんな早い時間に、何も言わずに小さい子をおいてAが居ないってのは変だよな」
おお……流石ユンギオッパ、もう一押しお願いします。
「まだ俺達起きる時間じゃなかったし、Aは仕事で呼ばれたけど起こさないように……とかじゃないですか？」
あああナムジュニオッパ、皆を納得させないでください。
姿が変わっただけでもわけが分からないのに、まさか声まで出ないなんて………。
どうすりゃいいんだ。
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作者名：藤櫻 | 作成日時：2022年7月2日 22時
