INFINITE∞僕の初恋 ６章

言えない ページ19

高橋さんへはすぐに繋がった


「あ、もしもし夜分に失礼致します。上代です」


高橋「おう上代か、どうした？何かあったか？」


「――実は相談し…」
《雅典〜誰と話してるの？》


私の会話を遮るように電話の向こう側から聞こえてきた女性の声…


高橋「あ、ちょっと待って」


そう言って
電話口でカサカサと音がして
声が聞こえなくなった。


雅典……
高橋さんの下の名前

下の名前で呼ぶほど親しい女性と…一緒…


高橋「あーもしもし？悪いな途中で」


「いえ…こちらこそ…こんな時間にかけてるので…」


高橋「っで？なんだっけ？」


「いえっ…なんでもないです。自己解決できそうなので大丈夫です」


高橋「？そうか？」


「はい…。すみません夜分に電話しておきながら…」


高橋「いや、いいんだが…ほんとにいいのか？まだ傷の具合が悪いとかなら言えよ？」


「足は大丈夫です！あ、すみませんメンバーに呼ばれたみたいなので…」


誰も呼んでないけど

早くこの電話を切りたかった

また…さっきの声が聞こえてきたら

胸が張り裂ける思いをしてしまう。涙が出てしまうかもしれないから


高橋「ん？今日は家に帰らなかったのか？」


「はい…みんなが快気祝いみたいなのをしてくれてるんです」


高橋「そうなのか、だったら俺も行けばよかったかな？」


「いえっ…高橋さんは…いいです…。じゃぁあの、失礼します。おやすみなさい!!」
高橋「おい！上代?!」


携帯を耳から離してからも高橋さんの声が漏れていたけど
それでも通話を切った。


大丈夫…

私一人でなんとかしてみせる…

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