8話 ページ9
月島side
朝練が終わりいつも通り席に座ってHRが始まるのを待つ。
担任が教室に入るとなにやら大きな声で呼びかける。
担任「はい席についてーHRを始める前に、転校生の紹介をします。菅原さーん入って〜」
月島(まさか､､)
教室に入ってきたのは綺麗な長い銀髪を靡かせた車椅子に乗った少女だった。
「菅原Aです。よろしくお願いします。」
淡々と挨拶をする姿はどこか儚げでフッと消えてしまいそうだった。
担任「菅原さんは訳あって車椅子だから、困ってる時は助けてあげてね。じゃあ菅原さんの席は､､出入りしやすい一番後ろにしよっか。月島の隣で、あの金髪のメガネね」
月島(はあ、よりにもよって僕､､)
菅原Aと挨拶をした少女はおぼつかない手で車椅子を押そうとする。操作に慣れていないのかなかなか動かせずにいた。見ているのが焦ったくなって立ち上がり彼女の後ろに回る。
月島「机の間は狭いから廊下から行くけど、いい？」
「あ、え、ありがとう、」
車椅子を後ろから押して空いてる席に連れて行く。
「あ、あの、ありがとう、」
月島「別に、見てるのが焦ったくなっただけ」
菅原さんは少しオドオドしたようにお礼を言ってきた。
HRが終わり、転校生に興味を持ったのかクラスメイトが菅原さんの周りに集まる。
モブ「ねぇねぇ、菅原さんはなんで車椅子なの？」
「えっと、4年前に事故に遭って、それから最近まで意識が戻らなくって、筋力が落ちてるみたいでまだ満足に歩けないの、」
モブ「そうなんだ、！大変だったね、」
クラスメイトと会話していると授業の予鈴がなり各々席に着く。
菅原さんは授業中、ペンを握っているのが難しいのか板書をしている手が少し震えていた。
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作者名：音羽 | 作成日時：2024年3月28日 12時
