好きな人と元カレ (ページ14)

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渋谷「そこ、座ろか」

「はい」

体育館とは反対側の校舎裏のベンチにすばるくんと2人で座る

渋谷「懐かしいな、ここ」

すばるくんの言葉に少し動揺した

ここはよく2人で昼ご飯を食べたり、授業抜けて2人でここで話したりした場所で、すばるくんと別れてから来たことは無かった

渋谷「Aは、好きな人おるん？」

私が黙ってるとすばるくんは私の顔を覗こ込んでそう言った

「いますよ」

ここで嘘をついたところでどうにもならないし正直に答えると「俺やないやんな？」ってさっきと同じ困った顔で聞いてきて胸が痛くなる

その顔されるとこっちまで困るのに、なんて思いながらも私は頷いた

渋谷「、、、俺、ずっとAのこと好きやねん。付き合う前、好きになってからずっと。」

「、、、デートすっぽかして女の人と腕組んでたのに？」

すばるくんが真剣に言ってきた言葉に私は少しムキになって返した

渋谷「今更言い訳にしか聞こえへんかもやけど、あの子、歳離れた兄貴の娘で、、、でも約束してたんはほんまに忘れてもうてたから俺が悪いには変わりないねんけど、誤解解きたいってずっと思ってた」

私は驚いて声が出なかった

渋谷「受験でAに構おうとせんかったのも謝りたかった」

やだ、今更知りたくなかったそんな事

じゃあ私ずっとすばるくん傷付けてたし、すばるくんを忘れるまで自分も自分で傷付けてたの？

「私こそ、ごめんなさい。勝手に勘違いして、、」

渋谷「Aが謝ることちゃうやん！ちゃうねん俺が悪いねん、俺が謝らなあかんかったのに何故か意地張ってもうて、卒業式にAが来てくれへんかったら諦めよって決めてたから諦めたつもりやったのにずっと忘れられへんかった」

すばるくんは見たことないくらい必死に話してて、私はそれを聞いて頷くしかできなかった

渋谷「俺んこと嫌い？」

「嫌いじゃない、です」

私がそう言うとすばるくんは明らかにホッとした顔をして、でもぎこちなく笑った

その顔を見てキリキリ胸が痛んで耐えれなくなったから「もうすぐ行かなきゃ」って嘘をついてその場から逃げた