そうだ、作詞をしよう。

ハルイロ ページ15

『ハルイロ』



仮に僕が 世界で一番強いとしても
君は きっと 僕を選ばない
来世 来世 またその次のステージでも
赤い糸は繋がらない
春が僕を汚した



味気無い水に色を落としたのは
他でもない 君のその笑顔
汗も涙も 受け止めるのが僕であれば
一つ後ろのベンチで思っていた

ハルイロに輝く 君の隣に立てるように
マーブルカラーに手を染めて
少しでも 相応しくなるように
捻れた理論 失って初めて気付く狂気

君の影に向かって愛の言葉 軽率に語って
ああこんなふうに君も喜んでくれる？
イロに染まって 売った心と身体
全部君の為って言ったら
少しは同情してくれると信じてる

仮に僕が 世界で一番綺麗であれど
君は きっと 僕を選ばない
それなら良い 汚れてたって一緒だろう
赤い糸は決して見えない



愛したい人と 愛されたい人
二元論さ 君はどっちかな
前者後者か どちらでも良い 僕であれば
欠けた一方の穴を埋めるから

ハルイロの彼方の 君との逢瀬の裏側で
ハンブルスラムに足繁く
夜な夜な 不埒にただふらふら
イカれた思考 失って初めて気付く狂気

仮に僕が 世界で一番タイプだったら
君は 僕を選んでくれるのか
僕が僕じゃなくても この際構わない
赤い糸を結ばせて



願ってパッと咲いた花
千切って切って投げた徒
縋ってガット抱いた嫌だ
こんなに君を想っているのに



仮に僕が 世界で一番強いとしても
君は きっと 僕を選ばない
努力しても 実らなければゼロと同じ
赤い糸は繋がらない
春は僕を汚して背を向けた




───
『ハルイロ』

叶わない恋を描いた一曲。
『LOVE-GAME』の元小説の別視点から書きました。

愛したい人と愛されたい人。
卑しいスラムのような世界で春を売った『僕』にとっては、どちらも経験してきたが故に、想い人がどちらのタイプの人間であっても構わないのです。

タイトルから可愛い系の曲かと思った方もいらっしゃるかと思いますが、春にも色々な解釈があるという事で。

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