嘘、偽りを貼り付けて

45 ページ45

どんどんヒートアップする言い合いに「A…」と言うミクの心配そうな声も自然と消えていく

Aは聞こえていないのか、その言葉に何の反応も見せずに震える唇を動かして言葉を発する

「怖いの、またあの日みたいに駄目な子って叱られるのが怖い。言葉はいつもと変わらないのに痛いくらい強く握って手を引いくお母さんをおもいだしたら何も言えない…。」

こんなにも感情を次から次へと表すAを国神と千切は始めて見た

「自分の弱さを受け入れるしか出来ないの…」

今にも泣きだしてしまいそうなAの姿は普段見ている姿とは違っていて、まるで幼稚園児かのように幼く見える

「でも伝えねーと。言わねぇと伝わんないだろ？」

そんなAをなだめるような口調で諭す國神

「親に言えないから、まずはブルーロックにいる奴らから。それも無理なら俺らの前だけでも良い。少しでも本心を見せれる場所作ろうぜ？な？」

「嫌なの、もう疲れたの。お願いだから1人にしてよ！もう良いんだって言ってるじゃない！！」

苦しそうな表情を見せられた2人は何も言い返せない

更にはこの前引き下がったほうがAは幸せになれるのではないかとすら思えてくる

「前にも言ってけど、俺はAが羨ましい。完璧にこなせるAが羨ましくて、だから今少し嬉しい。Aが完璧じゃないって知れて」

46→←44

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す