嘘、偽りを貼り付けて

39 ページ39

「また、Aちゃんが消えた」

ブルーロック内に居る選手たちに報告する前にアンリと絵心はAについて話し合っていた

Aへ対する選手の態度は前よりも圧倒的に良くなっている

熱を出したあと急に姿が見えなくなり、監視カメラを確認するもへやに入った以降の姿は一切ない

アンリが部屋に食べ物を運んだ際も中に姿はなく、神隠しにでもあったかのように途端に姿が見えなくなった

「アンリちゃん、念の為聞くけどここ心霊スポットの山とかじゃないよね？」

「違いますよ！いくら予算がないからと言って流石にそんなところに建てたりはしません!!そもそも絵心さん幽霊なんて信じてるんですか!?」

「まさか。念の為って言っただろ?そんな日科学的ななんの根拠も無いこと信じてるとでも思うの？」

涼しい顔で言う絵心になんとなく安心したアンリ

「ですよねぇ…」

でもアンリ自身も幽霊を信じていなくても、ほんの少しそういうことを疑ってしまう。

だって密室である部屋でいきなり姿を消しては、この間だはいきなり姿を表して。そしたらまた音も無く消えてしまうんだから

「何処に行ったんでしょうか…」

「さあね、第1女子高生がこんな山を自力で下りれる訳ないだろ」

そうは言うが実際に監視カメラにも姿は映ってないし、ブルーロック内のどこを探しても見つけることはできなかった

選手たちは言うまでもなくAが居ないことに気がついている。不安げな表情の選手たちを見れば聞かずともそんなことは分かる

40→←38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す