嘘、偽りを貼り付けて

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身の回りには案外毒親というのが多く存在しているのかも知れない。

もしかしたらAの親も、なんて考えが千切の頭に浮かぶ

「Aの親ってどんな人なんだ？」

「えっ？んー、そうだなぁ」

いきなりの質問に驚きながらも、細くきれいな人差し指を顎に当てて少し上を向き考えている素振りを見せるA

「料理が上手で優しくて。誰より私の将来のことをよく考えてくれてる人、かな」

そう言うAの顔はいつも通りの笑顔で、特段家族への愛情とかそう言った類のものは感じられない

「急にどうしたの？そんなこと聞いて」

「んーや、Aのこと、もっと知らなきゃならないなって思ってさ」

「それはさ、友達として？」

いきなりそんなことを聞いてくるAに千切は思わず「うぇっ!?」と変な声を上げてしまう

「千切くん、私と友達になってくれるのかなって思ったの。違かったらごめんね」

「違くない、友達なってほしい」

まっすぐAを、見据えるその瞳に思わず瞳を揺らしてしまったA

「今までごめんとか、全部虫が良すぎる話だし、嫌ってても構わないって思ってる。けどそんなに優しくされて、それで終わりにできない」

無意識に自分の手を強く握りしめる千切

「俺はお前を、Aを救いたい。見てりゃわかるよ、無理して笑ってるんだって」

その言葉に一瞬目を見開いたA。だがすぐにいつもどおりの笑顔で

「無理、してるつもりはないんだけどなぁ」

なんて千切が聞こえる声でつぶやいた。それは、独り言とも取れるし、千切に言ったとも取れる微妙な声量で、言い方だった

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