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千切はそこまでで言葉を詰まらせた。だが、Aは何も言わず優しい笑顔で千切を見ている
「何時でも笑ってるAが羨ましくて、でも憎くて…。」
「そっか」
それ以上は何も言わないA。今どんな顔をしているのか気になった千切は伏せている目をAの方に向けた
「でも、いつでも笑ってるわけじゃないよ?テストで悪い点数だったりすると偶に泣きそうになっちゃうんだ」
ふふっと笑ったA。だけれどその目はまるで笑ってなんかいなくて、目には一切感情がこめられていないように感じ千切はゾッとした
その笑顔はまさにさっき言った冷たい笑顔なのだ。まるで仮面を貼り付けたようなその笑顔
「さっき言ってた冷たい笑顔もきっと、悲しいことがあったあとに強がって笑ったりしちゃってたのかな。私すぐ強がっちゃうの、これ皆には秘密ね」
前はあれほどこの冷たい笑顔を見て無理して笑ってるのだと思い、それだけでとても愉快に感じていた。だけど今はそんな単純なものではない気がして、胸を締め付けるように苦しく感じた
強がってる笑顔なんかじゃない。今ならそんなこと一目でわかる
自分がここまで追い詰めてしまったのか。そう思うと千切はどうしてもAに償いをしないといけなく感じた
Aはきっと心からなんて笑えてないし、感情のこもっていない瞳からは何となく、このままじゃやばい気がしたのだ
「それに私の方こそ、怪我で悩んでるのに追い詰めちゃってごめんね」
「…違う、追い詰めてたのは俺だろ。悪くないのに謝るなよ…」
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香恋(プロフ) - ことさん» コメントありがとうございます、45、46の神の部分が頭になってたのでなおしました!ご指摘ありがとうございます!! (6月29日 18時) (レス) @page13 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
こと - 初コメ失礼いたします!いつも楽しく読ませて頂いております。ご無理のないよう更新頑張ってください。失礼ながら、國神くんの名前、間違えていませんか? (6月29日 13時) (レス) @page45 id: ce89d991f5 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ハチさん» ありがとうございます、不定期になるかもしれませんができる限り更新します! (2023年4月15日 19時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ハチ - 更新ありがとうございます。これからも応援してます。 (2023年4月15日 9時) (レス) @page14 id: fbd08aa29f (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - SALTさん» えぇ!ありがとうございます!頑張ります!! (2023年4月9日 21時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2023年4月4日 12時