52話 ページ6
「ごめんなさい、離婚しないで!僕が全部悪かった。僕の考えが全部浅はかだった。反省してる、だからお願い」
涙を流しながら頼み込むも両親の離婚を止める事は出来ない
嫌だ、嫌だと我儘を僕は言うが「もう我慢の限界だから」と母が言った言葉を聞き、ただただ涙を流すことしか僕はできない
夜の11時近くに突如、僕と姉と母。そう、父とペット以外は当時住んでいた家から荷物をまとめて出ていった
その時父が言った言葉は今でも鮮明に覚えている。
そこから離婚までは一瞬で、その場にいるのに僕の声は誰にも届かない。僕の愚かな行動を止めることもできない
「離れ離れになりたくない!これからも家族でいたいんだよ…!」
なんで聞こえない?なんで届かない?
キーンコーンカーンコーン
そのチャイムの音で僕は目を覚ました。どうやら午後の授業が座学だったため寝てしまっていたようだ
自然と激しくなっている呼吸。
こんなタイミングでこの夢を見るなんてと思いつつも、寝ながら涙を流していないことが不幸中の幸いだったと思う
「よー寝とったな!」
笑いながら言ってくる近くの席の男子に「気がついたら寝てたわ!」と笑って返す
指に痛みを感じみてみると、寝ながら手を強く握っていたようで、人差し指の爪が親指に当たっていて赤く色づき、少し皮が向け血が出ていた
「絆創膏持ってへん?どうせないだろうけど」
「あー、ないわ!そこまで女子力俺ないみたいや!」
ヘラヘラ笑う男子に「だよなー、知ってたわ」と返すとその会話を聞いていた女子が「はい」と絆創膏を渡してくれた
(あのとき、離婚しないでなんて言えてたら何か変わったのかな)
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香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…!この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!!! (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます!更新ありがとうございます! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2022年9月8日 23時