失敗人生2

51話 ページ5

僕と姉もよく喧嘩をしていた。その頃はなんとも思っていなかったけど今考えると不思議なものだ

「あー、でもなんかわかるかも」

じっと言い合いをしている双子を見ながら僕はそういった

「家族だから自分の気持ちをわかってくれるって謎の自信があるんだろうね。だから分かってもらえないと友達のとき以上にショックだったりするのかもな」

家族だからって何でもわかるわけじゃないのに、人は親だからとか姉や兄、妹や弟などと分かり合えると理解してもらえると心の底ではなぜか確信している

だからこそ意見が分かれたり、分かってもらえなかったり、信じてもらえなかったりしたら悲しさを他の人のときの倍くらいは感じるのだろう

「ま！双子はそこまで深い感じじゃないんだろうけどさ」

またヘラリと笑って、弁当の中にあった唐揚げをパクリと食べる

「案外Aって色々考えてるよね」

じーっと僕を見ていると思ったら、角名はそういった

「あとはそれを勉強に活かせればええんやけどな！」

ニカッと笑った銀の笑顔はまるで快晴の空の中にある太陽のように眩しく思わず顔をそらしてしまいたくなった

「考えすぎて勉強まで頭回らへんのやろ！」

いつの間にか喧嘩を終えていた双子

「喧嘩終わったんだ、勝敗は？」

「引き分けや！」

大抵こう聞くと再びどちらが勝ったかで論争が始まるのに、侑は少し悔しそうに引き分けといったから驚いた

「治もその結果に納得なん？」

だが驚いたのは僕だけではないようで銀は治にそう尋ねた

「おん、今回はしゃーないからそういうことにしといたる」

(こーゆとこはやっぱ同じDNAなんだよな)

比較的治のほうが大人って感じだけど負けず嫌いみたいなのとかは二人そっくりだ

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