86話 ページ40
「単語の50問テスト100点中、52点でした」
「半分超えたんや、Aにしたら頑張ったなぁ。次は60目指そうな」
怒られると思ったらまさか褒められて驚いた僕。だが顔には出さずにとりあえず頷く
「授業中爆睡してました」
「そりゃ駄目やな、文武両道してこその高校生やで」
笑いながらそういう監督に「はい、気を付けます」と返す。だが僕は内心
(文だけじゃなくて武の方もダメダメだけどね)
なんてツッコミのようなものをした
そんな会話をしている僕と監督を見て周りは笑いをこらえているのが分かる
「これってAの懺悔の時間?」
「それ以外ないやろ」
そんな会話を聞きながらも思いついた順に次から次へと言っていき、おおかた全部を言い終わったところで「全部ちゃうで」と言われた
流石に言わなきゃよかったかな、なんて後悔することも僕はペラペラ言ってしまったので頭を抱えたくなるかと思ったが、案外ならなかった
「次は侑がいいなよ」
「いや、俺はええ子やから懺悔することなんかないで」
そんなすぐにわかる嘘をペラっと言った侑を僕は軽く睨む
「二人にはユースから招待届いとるで」
監督にそう言われ、僕も侑も理解に少々時間がかかりぽかんとした顔を浮かべていた
でも仕方がないことだろう。ユースは19歳以下の日本代表だ。まだ、侑が呼ばれるのは納得だが僕は呼ばれるほどすごい選手ではないのだから
「2軍にAって名前の選手いるん?」
「いや、Aはお前だけやで」
北さんにそう言われ僕の思考回路は完全に停止した
「何かの間違いですか?漢字とか読み間違えました?」
「Aより賢いんやから大丈夫や、間違えてへんよ」
呼ばれたのはどうやら侑と本当に僕で合っているらしい
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香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…!この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!!! (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます!更新ありがとうございます! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2022年9月8日 23時