失敗人生2

71話 ページ25

(今日の皆、ヒーローみたいだったな)

一人夜道を歩いているとき、ふとそんなことを思った。悪と戦うヒーローじゃない。誰もが憧れるそんな存在のヒーローに見えた

(…少しは楽になれるのかな？助けてもらえる？救われるの？)

そんな少しの希望が僕の心の中に生まれた。ずっと、ずっと誰かに助けて欲しくて救ってほしくて、でも自分から周りに気づかれないようにしてた

気づいてと願いながらも気づかれないようにしていた。正反対な行動をしていた僕なのに、気づいて、手を差し伸べてくれた

その事実が嬉しくて、救われるかもしれない。楽になれるかもしれないという希望が更に僕を喜ばせてくれた

(あぁ、でも

僕に楽になる資格なんて、救われる資格なんてあるのかな)

それにいつも僕が考えるほどうまくいかないのが現実だ

(いや、きっと今回は違うよな。大丈夫…)

皆が僕を心配して助けようとしてくれてるんだから、自分だって皆を信じないといけないだろう

いつもきつく締め付けられていた首輪が今日、ほんの少しだけ緩められたような気がした

あの時からずっとキツくて息が苦しくて痛かったのに、イマはほんの少しだけ息がしやすくなった気がする

(この暗闇に消えるのは先でもいいかな…)

機能まで僕は消えたくて消えたくて仕方なかったけど、今はほんの少しだけまだ消えないでいてみようかなと、思えた

僕は今救ってもらえるとみんなに期待してるのがわかる

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