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69話 ページ23

「それでも最後の決め手になったのは僕のやったことだから」

最後に父親とあった日、姉と母親は完全に吹っ切れていたようだった。その姿を父はどんな気持ちで見ていたのだろうか

想像するだけで辛く苦しいが、きっと僕の想像よりももっと酷かったと思う

「Aはまだ吹っ切れてないみたいだ」

そう、父親は母親に言ったらしい。帰りの車でそう言われた。

あたりまえだろう、そんなの。両親の離婚を中1の僕はそんな簡単に吹っ切れる訳が無い。ましてや、僕が導いた結果なんだから

「なんでも自分のせいって思い込むのは良くないことじゃないんか?Aは家族が大好きで大切やったんやなぁ」

涙目でそう言った侑に僕は驚いた

「なんでお前が泣きそうなんだよ…?」

その場に居たわけでもなんでもない。当時出会ってすらいないのに、体験したわけでもないのに泣きそうになっている意味がわからなかった

「やってそんなん辛くないわけ無いやろぉ、大好きな家族が離婚したの自分のせいやって思い詰めて抱えようとしとるなんてぇ」

大好きとかそういんじゃない。だって家族を心から嫌いになれないのは当然のことだろ?

母と父は血の繋がりがないから紙切れ一枚で割と簡単に離婚して関係を断ち切ることはできるのかも知れないけど、僕と姉は母と父と血が繋がってるからたとえ両親が離婚したって親じゃなくなるわけじゃない

親が嫌いな子供なんてほとんどいなくて、僕も大勢のように親が大切なんだ

「…わかった。自分のせいだって思うならもうそれでいいよ。でも一人で痛みも、怒りも受け止めようとはしなくていい」

そう言った角名の目は、まっすぐ僕を捉えていた

「時には頼るちゅーことも大切やろ?俺らは仲間や!いつだって力になりたいって思っとる!」

「助けて欲しいときはなんて言うか今どき小学生、ううん、幼稚園児でも知ってるけど?」

(…違う、助けてほしいわけじゃない。頼りたいわけじゃない)

心ではそう思っているのに口からは

「…助けて、助けてよ…」

なんて言葉が出てきた

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香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…!この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!!! (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます!更新ありがとうございます! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/  
作成日時:2022年9月8日 23時

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