68話 ページ22
ただ僕の話を黙って聞いてる4人。きっと、僕に失望しただろうがそれでも構わない。もういっそ嫌ってもらいたいとすら思えた
「夜に母さんが泣いてるのを見た。父が謝りに来て、離婚したくないって言ってた。僕のせいでバットエンドにしたのに、みんなを傷付けたのに幸せになっていいはずがないだろ!」
父親は本当に離婚をしたくなかったんだと思う。仮面夫婦でもいい、「角の1部屋で俺は生活するから」そこまで言っていたらしい
なのに、僕のせいで離婚することになった。
「そんなことあらへん!」
すぐさま僕の行ったことを否定してきた侑だが、そんな言葉僕には響かない。
離婚が決まったあと、家に荷物を取りに行ったことが一度だけあった。そこには父親もいて凄く気まずくて、気を抜くと涙が流れそうだった
そんな自分に、(泣いちゃだめだ、泣くな)そうひたすら言い聞かせてた
その日が最後に飼っていた犬と遊んだ日で、父と顔を合わせた最後の日
「誰にも言えないまま、辛かったなぁ。そうやって誰にも言えへんまま抱え込んで苦しかったやろ?よく耐えたなぁ」
そういったのは2年バレー部の誰でもなく北さんだった
「すまんなぁ、盗み聞きするつもりはなかったんやけど聞こえてきたんや」
少し申し訳なさげに笑った北さんに「どうしてここに居るんですか?」と銀が尋ねると、「ばあちゃんがファミレスに行ってみたいって言ったんよ」と答えた
「そんな大事な話大声でするもんやないよ、周りにも迷惑やしプライバシーにも関わるんやからな」
先程の北さんの言葉に涙が沢山溢れて僕は何度もうなずくことしか出来なかったがそれをわかってくれてなのか「わかったならええよ」と軽く頭を撫でてくれた。そして「ほなあんまり大声出したらあかんよ」といい席へ戻っていった北さん
「どんなに酷いことしたってそれを反省できてればいいんじゃないの?」
ずっと黙っていた角名はようやく口を開いたと思えばそう言った
「それにいくら何でも一回きりの出来事じゃ誰も離婚まで踏み切らないんじゃない?それまでの積み重ねがあって我慢の限界が来ただけで、そのタイミングがちょうどAが何かやらかした時だったってだけでさ」
思い返せば幼稚園のときから何度か家出という形で終わったが両親の喧嘩で今の家に泊まったことがあった
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香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…!この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!!! (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます!更新ありがとうございます! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2022年9月8日 23時