64話 ページ18
「はい、次は連日取りあげている高校生バレーボール大会の」
アナウンサーがそう話している声が聞こえて、テレビに目を向けた
「と兵庫県代表、稲荷崎高校が決勝で対決しました。結果は2-1で」
自分たちが負けて泣いてるやつ、慰めてるやつの姿がテレビいっぱいに映し出され思わず顔をしかめる
そして喜んでる相手チームの姿に更に苛立つ
「両チーム互いに一歩も引かないプレーに見ている観客の心も鷲掴みにしていました」
プレー中の映像が流れそこに自分が写っていることに驚いた反面、祖母たちが「Aじゃないか?」なんて騒ぎ出すものだから恥ずかしくて仕方がない
僕は立ち上がりご飯を食べ終わり部屋へ足早に戻っていった。
次の日、部活はミーティングのみで全員が体育館へ集められた。そこには2軍の人たちもいてはじめまして的な空気が流ていた
「え、お前バレー部やったん?」
「え、知らなかったの?」
実際にそんなことを一軍が2軍に行っている声もちらほら聞こえてくる
時間になり監督たちが体育館に来ると、今日のミーティングの内容として引退する3年からの挨拶と言われたが、正直初めて見る顔の3年しかいないため、僕がこの場にいる意味は正直分からなかった
「今までありがとうございました!俺は1年のときから二軍で一昨年このまま行けば一軍に昇格できるとこまで行きました。でも、すげー後輩が5人も入部して来てそれは叶いませんでした」
何かの恨み言だろうと思うような言葉にどう反応すればいいのか困った。一発目からこれは流石にきつい。しかもこちらは先輩の事を一切認知すらしてないんだから
「でも、プレーを見れば納得で、俺にはできないプレーをできてる。だからこれからも頑張ってほしい。いい知らせが聞けることを楽しみにしてます!ありがとうございました!!」
そう言ってその先輩は深々と90度くらい頭を下げた
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香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…!この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!!! (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます!更新ありがとうございます! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2022年9月8日 23時