失敗人生2

57話 ページ11

高校に入って初めて部活をサボった

その罪悪感は正直全くと言っていいほどない。何も感じなかった、ただ2年と顔を合わせるのがなんとなく気まずかった

「あー、帰んのかぁ」

このまままっすぐ帰るべきなのはわかってる。帰って寝るのもいいのだが祖母に小言を言われるのも面倒くさいというのが本音

(そーいや、映画みたいのあったんだった)

忙しくて忘れていたが、ネットニュースで流れてきていたことを思い出し上映時間を検索する

運がいいのか、今から向かえば余裕で間に合う時間帯。そのため僕は映画館へ足を運んだ

大会が近いのにサボって、本当に僕はろくでもない失敗作だと思う。更にそれに対して何も感じないんだから救いようがないのだろう

(ま、たまには息抜きも、ね)

罪悪感なんて感じていないのに、心の中で自分は間違っていないと正当化させる言い訳をする

そんなくだらないことを考えていると駅近くの映画館へいつの間にかついていた

(うーわ、久々過ぎるって)

最近は部活でオフというオフが無かったため、駅へと来ることも無かったのだ。だから駅前の景色が懐かしく見える

室内の券売機でチケットを買い終わったときには中に入れるようになっており足を運ぶ

中では広告が流れ始めていた

(広告中に寝そうなんだけど…)

興味のない映画の広告、無断撮影お断りの広告。それらが何度も繰り返して僕を睡魔が襲ってくる

(…やばい、寝そう)

そう思い目を閉じかけたときようやく映画は始まった

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