失敗人生

44話 ページ47

「え？何が？」

本当になんのことだから分からなかった。別に僕はどこの高校だって今の生き方を貫くだろうし、何も変わらない

それより僕は何も知らないくせに僕のことを語られるのは嫌だった

「いや、Aってやる気とか顔に出ないタイプだからさ。他校でやる気出せとか怒られたらやる気逆になくすでしょ？」

たしかに、角名が言っることは正しいと思った

顔にやる気とか出ないタイプだからたくさん怒られてきたし、たくさん損してきた

でもここの監督は「やる気だせ！」みたいなことは言ってこない。それが僕的にはやりやすいと思ったことは確かに何度がある

「Aも推薦やろ？推薦来んかったらどこの高校行くつもりやったん？」

何も考えてないような顔で銀が聞いてきた

「んー、県外かな」

「なんでや？！」

親元を離れたい。一人暮らししたい。そんなこと言えるわけもないし僕は少しなんて言うべきか悩んだ

「県外に憧れあるからさ」

まあもともとここの県の人じゃないんだけどね。そう思ったものの言葉にはしなかった

「あれ、Aってこっちに住んでるよね、家族で。でも地元は別の県って、どういう？」

親の仕事で引っ越した？それとも素直に離婚したって言う？頭をフル回転させてより良い回答を探す

「そーいやAのこと俺らなんも知らん気がするわ」

「たしかに俺もやわ」

そんなことを言い出すみんなに僕はヤバいと焦りを感じた

何を話せばいいのかわからないし、話しすぎて本当の僕を知られたらと思うと少し怖かった

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