失敗人生

33話 ページ36

「何浮かない顔してんねん、テスト赤点なかったんやろ？」

「まあ無かったんだけどね」

部活前、アップをしていると銀に話しかけられた

「赤点ギリギリやったん？そんなのいつものことやろ」

気持ちが乗らない、理由もなくイライラする。けれどそんなのみんなに見せることなんてできない

そんな姿はみんなが知ってる僕の姿ではないから

「今回はちゃんと勉強したからさ、あと5点くらいは取れてると思ってたんだよね」

「たった５点かいっ!!」

銀が突っ込むかと思っていたが突っ込んできたのはアランくんで、僕はヘラヘラと笑ってみせた

(そーいえば、中学の時にAは目が笑ってないって言われたことあったなぁ)

あの頃は上手な人付き合いの仕方を学ぶ少し前くらいで、でも演じてはいた

びっくりした。心から笑ってるつもりでも目が死んでたらしいから。よくよく思い返せば確かに爆笑してる時でもあんまり面白いとは思ってなかったかもしれない

「ほんまに勉強のことで悩んでるん？」

「え？あっ北さん、こんにちは」

いつもどおり真顔で何を考えているのかいまいち読めない顔をしながら北さんは僕をじっと見つめていた

まるで何かに気付いているような目。もしかしたら嘘付いてるって、演じてるってバレたかな

少しの焦りともしそうだったならという期待が心の中にあった

「んー、多分そうです！」

少しおどけて笑う

「そうか」

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