失敗人生

31話 ページ34

小さい頃、僕は本を読むのが好きだった

とある小説を全部集めようと本屋に行けば一冊勝手とおねだりして、帰ってからはそれをすぐに読んでしまって

誕生日やクリスマスも小説6冊とか、そんな感じだった

でも本好きだからと言って真面目なわけではなかった

友達とおしゃべりも遊ぶのも好きだったし、バレーもやってたから運動もある程度はできていた

でもいつからか、人前で本を読むことは減っていき、本読むのが好きだと公言することも無くなっていた

周りの子は本なんて読まないし、ほんの良さをわからないような子たちで読んでもマンガばかりだったから

「ええ！？小説なんて好きなの？」

みたいな反応をされるか

「絶対嘘でしょ」

なんて信じてもらえないことがほとんどになっていった。

高校生になって時間がなくなってからはあまり読めていないけれど本屋があればいきたいと思うくらいには好きだし、一人の時間ができればゆっくり読みたいと思うのに

ただ周りから浮きたくないから必死に話を合わせようと「小説？読まない読まない！」なんてくだらない嘘を僕はつくようになった

いまだに新刊が出ていないか確認してるくせに。

そんな嘘ばかりついているせいで自分の中に自分が居づらくなっていってるのがなんとなくわかる

「もう許してよ…」

昔の自分が泣いているのがたまにわかる。でも僕にはどうしょうもない

昔、「好きなことは好きって言いたい」そういう言葉を聞いたことがあった。たしかに言いたいと思うことだってある

けれど思うだけで実践することはそう簡単なことではないのだ

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