失敗人生

17話 ページ20

部活にはギリギリ間に合ったが、北さんからのもっと早く来れへんの？と言う圧がものすごい

そんなこと一言も言われてないし、北さんに「そんなこと思ってへんよ」と言われればただの僕の思い過ごしになる

けれど多分、僕以外の2人もきたさんからの圧は確実に感じているだろう。その証拠と言うと堅苦しくなるが、プレーが少し緊張というか堅い

まあ、北さんの圧ほど彼らにとって部活の中で怖いものは無いしああなっても仕方ないのだけれど

隣で勝ち誇った顔をして「ざまぁないなぁ」と治に言っている侑

侑だって北さんに注意されると死にそうな顔をしていて、あの圧がどれほど怖いか分かっているくせに同じ家族をあんなふうに言うなんて

どこまでも侑らしい

同じ家族を、いや、違うか。同じ家族だからなのかもしれない

あの2人は家族だし、仲間だし、何より良い相棒なのだろう。

よく喧嘩してるし、馬鹿だし、煽りあってるけど、それでも良い相棒なんだ

そんな存在がいる事が僕は少し羨ましい

「そろそろ北さん、圧かけるのやめてくれないかな」

軽く笑いながら僕はそう呟いた

「多分今日の部活終わるまでは無理やな、我慢しい」

僕の言葉を聞いていた銀がご愁傷さまと言いたげの顔で返してきた。まあ、ギリギリになった僕達も悪いし、本人は多分圧をかけてる自覚無いんだろうし、仕方ないかな

「サボってないでバレーするよ」

「サボってんのはお前やろ！」

そんな冗談を言って軽く笑いながら、またレシーブ練をやり始めた

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