星が輝いていた (ページ3)

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目を奪われる2 ページ3

双子はそんな北の言葉に納得した。

一体どれほどの時間をバレーボールというスポーツに費やしたのか？

きっと自分たちとは比にならないほどやり込んでいるのだろう、そう想像するのは容易なことだ

気が付けば体育館にはほとんどの部員が揃っていた

「おーいA、そろそろ終わりや!片付けしぃ」

尾白アランが口元に手を持っていきそう叫ぶ

ぱっと上に顔を上げたAの表情はサーブを打っていた時の険しいものとはまるで違い、明るい

やたら整った顔が先程までは緊張感を出していたが今度は緊張感のかわりに爽やかさを感じさせる

それこそまさに、汗も滴るいい男状態だ

「おん、ありがとな」

ボールを集めながらアランにお礼を告げるA

本当に雰囲気がぜんぜん違うからまるで誰かと入れ替わったか、それとも多重人格なのかと思えてくる

「わかるで、双子の気持ちはよーく分かる」

ウンウンと頷くアランに治は「何の話や?」と聞くが特に返事は帰ってこない

その間に片付けを終えたAは戻ってきて部活は始まった

「今日は俺ちょっとボールと喧嘩中や」

誰に向けた言葉なのかはわからないが、はっきりとAはそう言った

「普段はもっと仲良ーしてくれるんやけどな」

その言葉に誰も返事なんてしない。双子に関しては何を馬鹿げたことをこの男は言っているんだろうとすら思っていた