星が輝いていた (ページ15)

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一寸の狂いなく3 ページ15

「なんか、俺よりも上手くて凹むわ…」

次々とAの上げたトスを打つ中で徐々に自信をなくしてくメンバー。その中でも特に正セッターの侑は酷くショックを受けていた

「知ってたんよ？俺やってAくんの前やとミジンコレベルやって、それでもこんなに…」

「やかましいからこんな奴ほっといてええで」

凹む侑を目の前に、どうしようかと頭を悩ませていると片割れの治はそんな無慈悲な事を平気で口にした

「んー、でもそれはなんか可哀想やろ？俺のせいでも多少はあるわけやし」

「下手くそなツムが100悪いやろ」

「やって普通あんな一寸の狂いもなく上げられたら凹むやろ！普段セッターしとるわけでもあらへんのに！それに俺は覚えとるで!!Aくん前に取材でトスが一番苦手言うとったもん!」

駄々をこねるように言う侑にコートから監督の視線が突き刺さるが止まることはない

反対コートでは練習試合中だと言うのにレギュラーたちは何をふざけた話で盛り上がっているのだろうか。

対戦校の監督の視線も酷く冷たく苛立っているのがわかる。あまりの舐められ様に苛つきを抑えられないのだろう

「苦手やよ、赤木がレシーブ上手いからちゃんと上げられとるけどちょっとでもミスったら今みたいに狂いなく上げるのは難しい。やから侑は凄いと思うで」

幼い子供をなだめるよいに優しい口調で侑に言い聞かせるAに少し得意げになる侑

Aは侑が扱いやすくて助かったと心から思った

「よくミスしとるけどな」

「サムは喧しいわ!!」