星が輝いていた (ページ14)

今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:13,866 hit

一寸の狂いなく2 ページ14

「他の皆も打ってや、最近してなかったから腕に鈍ってるかも知れへんしな」

なんて言いながらも内心は完璧に上げられる自信がAにはある

だってそのための努力は1日たりとも怠ったりなんてしていないから

侑に負けないレベルで相手が満足できる、もしくはそれ以上のトスを上げてやれる

だがセッターにならないのは一番注目を集めるのはスパイカーだからだ

点を一番取れるのもセッター、全てにおいて評価されやすいのはセッターやリベロよりもスパイカーだと誰もが考える。それはAの両親も例外などではない

バレーボールにおける花形はスパイカーだから、全てにおいて完璧で、特にスパイカーにもってこいの選手になるように育てられた

赤木が上げたチャンスボールをAは視界の隅で捉えて触る、いや最早触れるというレベル

それだけで十分だ。余計なことなどしなくて良い。だってボールはAのやりたいことを、上げたい先を理解しているかのようにその方向へ緩やかに飛んでいくから

そのボールの扱いはまるで体の一部のようで、とても美しい

「なんかナイストス過ぎて気持ち悪い」

「俺先輩何やけど!?唐突な悪口は傷つくでー」

Aの事を好いている角名はこうやって事あるごとにダル絡みをしてくる

傍から見れば完全にAが舐められているようだが、問題児の２年生生からのこういった絡みは愛あるいじりと皆理解しているから基本的には怒ることはない