星が輝いていた (ページ13)

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一寸の狂いなく1 ページ13

「Aくんっ!」

フワッと打ちやすい場所に上がる侑のトス

「侑ナイストスや」

「Aくんもナイスキー」

侑が自分のトスに自身を持つことも納得できるほど上手い

夏、3年生が引退する道を選んでから初めての練習試合

選ばれたほどほどの強豪校、点差は25対13とけして対等の強さとは言えない点差で試合は毎度終わる

相手はまだ3年生も残っているのにこの差で、侑は明らかに苛ついている

「侑、油断大敵やで」

「うす」

北の言葉に返事を返すものの不服そうで監督は普段試合に出てない、ユニホームだけ貰う控えたちを次のセットは試合に出すと言った

その間俺らレギュラー組は空いてる片面コートで練習してろとの指示

このまま行けばきっと今日の対戦高との練習試合は今後組まれないだろうし、今日も俺等は練習で控えメンバーたちが試合に出ることになるかもしれない

「ほな俺等は何やるん?」

そんな事を話していればコーチの鋭い視線がこちらに向けられているのに気が付き取り敢えずスパイクから練習を始めた

「侑もスパイク打たへん?」

「いや侑がスパイク打ったら誰がトスすんねん!」

アランのキレキレなツッコミにAの提案に若干目を輝かせた侑

「勿論俺や、ほら俺ユースの試合も近いし色々練習しとかなあかんねん」

そう、ユースに呼ばれればポジションを理由にできないなんて言い訳はほとんどというか、全くと行っていいほどには通用しない

「Aくんのトス打ってええん!?勿論や!俺もスパイク打つ!」

「ずるい、俺もや」

若干むっとした顔でそういった治はまるでAの弟のようで「勿論や」と笑顔で返事をした