星が輝いていた (ページ11)

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秘密の1 ページ11

掃除をさっさと終えて北とアランと肩を並べて部室まで歩けば途中で会った顧問に一枚の封筒を渡されたA

でもその封筒の中身は見なくても分かる

ユースの試合の明細だ

「大会に練習試合にAは大変やなぁ」

「俺的にはありがたいんよ、特にユースの方はな」

だって、家に帰らなくて済むんやからな。なんて喉まで出かかったその言葉をA呑み込み笑顔を見せた

「ほんまAはバレー第一やな！見てるこっちが疲れるわ」

「アランも人のこと言えへんやろ！なあ北」

Aが話を振ればいつもよりも柔らかい表情で、温かい目でAを見ている北にAは思わず黙り込む

その笑顔はAの何処か満たされない心を埋めてくれるような気がして、温かさを感じられるのだ

「そうやな、2人してバレー大好きなの伝わって来るで」

「そやろ！」

笑って返すAは少しばかり複雑だった。

だって、北のようにバレーが好きで努力をしている人がいるのに自分のような好きでもない人が親のエゴのためだけにバレーをしているから

それでもバレーを辞めることもなければAが努力を辞めることもない。だって家族の幸せな未来は全てAにかかっているのだから