星が輝いていた (ページ2)

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目を奪われるページ2

新しく稲荷崎高校へ入ってきた双子の宮侑と宮治はバレー馬鹿だ

だから誰よりも早く体育館へ向かい、誰よりも早くバレーをしようと常に時間と戦っている

「俺の勝ちや!!」

勢いよく体育館の扉を開くと目の前には既にピンっと貼られたネット

綺麗な助走から始まるAのサーブ

それはまるで芸術作品化のようで自然と侑と治の視線を奪う

まだ部活前だというのに相当練習をやり込んだのだろう。頬から顎へと流れていく美しく光る汗

ふとAは自分に向けられている視線に気が付き入口を見た

「なんや？ボーっとして、準備終わったならはよアップ始めたらええやろ」

キョトンと不思議そうな顔をして再びボールを手にしてサーブをうち始めたA

2人はそんなAのサーブを見ながらアップを開始した

「凄いやろ。誰よりもバレーに必死に向き合ってるんよらAは」

雑巾を片手に持っていつの間にか現れた北信介に「うわぁ!!」と侑は思わず声を上げた

「幽霊でもでたように驚くんやな」

そう言う北の視線の先はAへと自然に移っていく

思わず魅入ってしまうくらいの綺麗で強烈なサーブ

「皆自分らみたいな反応するんやよ、先輩も俺達もそうやった」

懐かしむかのように少し視線を細め、また戻す

「1度Aのプレーを一瞬でも生で見れば、目を奪われて頭から離れなくなるんや」