手前の全ては俺の物。 (ページ17)

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15話ページ17

太宰side

貴「な、なんで……。」

太「それは私の台詞だよ。今迄どこに……。」

足元を見たら、彼女は靴を履いていなかった。

裸足で所々擦りむいてた

右足首には何かで締め付けられてた跡がくっきりと残ってる。

太「……取り敢えず家に戻って手当してあげるよ。」

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太「これでいいかな？まだ痛むかい？」

貴「……ありがとうございます。」

擦りむいた所に消毒液をかけて
絆創膏を貼った。

太「今までどこにいたの？皆心配していたのだよ。」

貴「……すみません。」

住んで綺麗だった瞳は今は光を宿さない
虚ろな瞳になっていた。

太「ところで、君のその足の跡、なんなんだい？」

一瞬だが彼女の肩が少し跳ね上がった。

貴「……なんでもないです。少し浮腫んだだけですよ。」

太「そんな訳はない。これは明らかに何かで締め付けられた痕だ。浮腫みでこんなふうにはならない。」

貴「……太宰さんにはなんも関係ないじゃないですか。」

太「っ、関係なくない！私は君の」

貴「もういいです。ほっといて下さい。」

急に彼女はよろっとしながらも立ち上がった。

太「ちょ、どこに行くの？」

貴「探偵社に行きます。これまで無断欠勤していたので、謝りに行かないと。」

太「！、そんな状態で行くのかい？。」

貴「っ、私は太宰さんと違って無断で仕事をサボる人じゃないです。」

太「やめたまえ。国木田君からは私が報告しとくから、今は。」

引き留めようと彼女の腕を掴んだ。

貴「っ！離してください！」

太「駄目だ。Aちゃん。とりあえずおちついて。」

貴「辞めて、離して下さい！」

必死に抵抗する彼女を落ち着かせようと
私は両手を掴んだ。

それでも抵抗する彼女。

貴「〜っ、太宰さんには関係無いでしょ！離して！」

太「……っ！」

拒絶された私は、思わず彼女をぎゅっと抱き締めた。

貴「……っ、嫌！」

太「うっ……！」

だが彼女は拒絶する事をやめず私を突き飛ばした。

よろめいた私は壁に背中をぶつけた。

貴「あ……、！……っ、もうほっといて下さい！！」

太「ま、待ちたまえAちゃ……っ」

声をかけた時には既に彼女は寮を飛び出して行った。