手前の全ては俺の物。 (ページ15)

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13話ページ15

国「何？Aが出勤してないだと？」

敦「はい……。寮にも行ってみたんですが、もぬけの殻で……。」

国「太宰と違って真面目で勤務態度もいいAがサボるなどと言う事は有り得ん。何かあったのだな。」

太「一寸、私今唐突にディスられたのだけど。」

国「お前はディスるとこしか無いだろうが唐変木が。兎に角太宰。Aを探して来い。」

太「ちぇー。」

国「なんか言ったか？」

太宰「なーにもないよ。くにきーだくん」

国「誰がくにきーだくんだ！」

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あれから彼女の行方を探した。

寮に帰ってはいなくて、流石に不安になった。

私があんな事言ったからかな……。

ずっと前から私はAの事が大好きだった。

今思えば一目惚れだった。

他の女性には躊躇無く話し掛けたり
心中を申し込んだりできるのに、

何故か彼女には他の女性と違って
上手く話しかけられない。

私らしくも無かった。

いつもなら平気で女性を口説くのに
Aには全く口説けなかった。

そん時から既に私は彼女に入れ込んでいた。

Aが私に向いて欲しくて、

他の女性を心中に誘おうとしては、
Aは止めに入り、ぷんすか怒る。

怒った顔が可愛くて、ムキになった顔が可愛くて気が付いたらあんな事を言っちゃった。

それから彼女は数日出勤もしなければ、
家にも帰ってなかった。

流石に不安になり、思い当たる所を探したが、

見つからなかった。

真逆他の男と駆け落ち……とかは無いよね……。

想い人が出来てその男と行方を眩ませたとかじゃ……。

そんなの嫌だ。

兎に角早くAを探さないと。

焦燥に駆られていると、誰かとぶつかった。

「わ！、ご、ごめんなさい！」

ずっと聞きたかった声が聞こえた。

太「え……？Aちゃん？」

貴「だ……太宰さん……。」

ぶつかってきたのは最愛の人だった。