シンデレラの靴なんざ願い下げだ馬鹿野郎２ 【東リべ】

靴が77足 ページ38

貴方side


蕎麦を食べ終わった後に皆で代々木公園に向かう。カップルとかが多いけど、野郎4人と野郎もどき1人でカウントダウンを待った。




｢今年の抱負何すんの？｣


『俺は喧嘩も今も楽に過ごす。』


『俺も〜人生楽しまなきゃ損だろ？』


｢わー全然違うじゃん｣


『俺は平和だな。また皆と来たいしな』


｢ほー鶴蝶中々〜｣


『俺の抱負も決まってる！』




皆の抱負を聞いてるとイザナが声張り上げる。これが天竺になったら雰囲気変える化け物ですよ。他は地味にポンコツなのにね…誰に似たんだか…。




『俺は弟になる！』


｢それ抱負じゃねぇよ。ただの宣言｣


『いいだろ？そういうお前は？』





俺はフゥ…とため息を吐くとカウントダウンが始まった。さっさと俺の抱負を聞きたいのか、グイグイ4人が詰め寄る。抱負？




｢俺は助けて帰ること！以外！｣


『なんだよそれ答えになってねぇぞ！』


『せっかくだから跳んで年越ししようぜ』


『いいね兄ちゃん、ほら手繋ぐぞ』




竜胆の一言で全員手を繋いで円陣みたいになってカウントダウンが3秒前になる。皆でお互いを見て笑った。皆で足に力を入れ1のカウントダウンで跳ぶ。




『『｢HAPPYNEWYEAR/あけましておめでとう！｣』』




新年を迎えて船の汽笛を背に、皆でバイクを取りに中華街を通る。こっちも新年を迎え、爆竹をぶっぱなしてお祭りモードだった。




『そういやさ』


｢どしたー｣


『大神…お前って何者なんだ？』




新年早々ぶち込んでくるねぇ…俺今驚いちゃったよ。イザナを見ると完全な天竺モードになって灰谷兄弟と鶴蝶も俺と視線が合う。




｢俺？俺は何者でもないよ。強いて言うなら踊れる一般人｣


『ふーん』




なんだその反応…おい聞いてきたのはそっちだろ？と思ったが、少し悲しそうにこっちを見ていたのに気付き黙って着いて行った。




｢お、見てみてかまくらあるぞ｣


『『！？』』


『ちっこいかまくらじゃ〜ん』


『かまくらって本当にコタツ出来るのか気になるよな』


｢わかるコタツびちょ濡れになりそう｣




蘭と竜胆と俺で小さなかまくらの隣に少し大きくかまくらを作る。そのかまくらの中々の出来にイザナはボソボソ言ってたが、特に気にしてなかった。




『王国は2つも要らない…』




背後からグシャッと聞こえた音に気付き俺だけ振り返ると、先に作られた小さなかまくらを取り憑かれたように何度も踏み潰すイザナの姿があった。

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