94. side GD ページ50
それから。
とりあえず、メンバー達には事の顛末を伝え、Aのバイト先のママにも連絡を入れた。
突然の訃報に、みんな驚き、ママとオーナーはAの姿を見て泣いていた。
元々日本から来ていたAだったけど、
Aの家族や親族の連絡先を知らないのと、
メンバーや周りの希望で、葬儀は韓国ですることになった。
最期のお別れをした時、心なしかAの顔は笑っているように見えた。
さようなら、は言わない。
また…会おう。
先にそっちで、待っていて。
俺も…すぐ行くよ。
花に囲まれて、穏やかに眠るAにそう話しかけ、
最期の別れを告げた。
まるで魂が抜けてしまったかのように茫然と立ち尽くす俺に、メンバー達はずっとついてくれていて。
その後のことは…もう覚えていない。
笑いもしない、泣きもしない、感情を失った俺は、ただ歌を作って歌うだけのロボットのようになってしまった。
Aが…この世を去ってしまった日から。
今日で……何日経ったのだろう。
毎日毎日、同じ日々を淡々と過ごして。
朝起きて仕事に行き、夜遅くに帰って来て眠るだけ。
Aが…俺の生きる理由で、希望だったから。
それを失った今は……生きている意味がない。
『あの夢は…虫の報せだったんだな』
Aが亡くなる日に見た、Aの夢。
あの時のAは、笑っていた。
A…幸せだった?
君に……会いたいよ。
Aの面影を探して。
Aに会える事を願って、眠りにつく。
こんな日々を一生続けていくなんて、耐えられない。
『どうやったら……Aに会える?』
いつかに撮った、笑顔のAの写真。
それに問いかけても、答えが返ってくる訳もなく。
今作ってる曲がひと段落したら、
Aに……会いに行くね。
それまで…もう少し、待ってて。
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ÑoëL(プロフ) - 雪ノ宮深音さん» ハッ!外すの忘れてました(;;)ありがとうございます! (2017年12月9日 21時) (レス) id: 148b97988e (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ宮深音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ÑoëL | 作成日時:2017年12月9日 4時